TPM鉄則47:ヒヤリハットの改善が重大事故を防ぐ
災害が起こる前にヒヤリハットの対策・改善を確実に行い、災害を未然に防ごう。リスクアセスメントも災害の未然防止に有効です。
災害の未然防止を図ろう
自主保全の第1ステップでは、作業環境と設備の不具合を抽出します。同時に安全上の不具合も同時に抽出し、第2ステップで改善していきましょう。安全は最優先項目だからです。
労働災害の発生確率は「ハインリッヒの法則」に従うといわれています。これは1件の重大災害の背後には、29件の軽微な災害、300件のヒヤリハット(突発的なことにヒヤリとしたり、ハッとしたりした経験)が起きているという調査結果から見い出された法則です。
したがってヒヤリハットを抽出して改善し、災害発生を未然に防ぐことが重要です。安全の予防的手段として、リスクを網羅的に抽出して対策を打つリスクアセスメントの手法があり、これは国際規格の労働安全衛生マネジメントシステムであるOHSMS18001、およびリスクアセスメントについての具体的手段の規定であるISO14121で標準化されています。リスクの評価基準は存在の多さ(密度)、発生の可能性(確率)、危険の深刻さ(重大性)の点数基準で評価します。TPMの安全活動としては、ヒヤリハットの抽出目標件数を設定し対策すること、過去の災害多発設備については、とくに潜在欠陥や災害の顕在化としてのリスクアセスメントを実施することで効果を上げています。
積極的な活動推進のために
災害の未然防止活動としては、以下の点を盛り込んで進めていくとよいでしょう。
①ハインリッヒの法則の理解
②ヒヤリハットの抽出と改善
③リスクアセスメントの実施