【第2回】Whyは真相究明のMotherです

前回、個別改善とは設備の7大ロスを撲滅することであると説明しました。では、故障をはじめとするロスを発生させている原因はどうやって見つけたらよいのでしょうか。それがわからなければ、改善はいっこうに進みません。そこで登場するのが、真因を究明するための代表的な手法のひとつである「なぜなぜ分析」です。「なぜ故障が起こるのか」「なぜ不良品は減らないのか」という素朴な疑問からひも解いて、その原因を究明していきます。今回は手始めに、なぜなぜ分析とはどういうものなのか、その考え方からわかりやすく解説します。

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まんがで個別改善

●なぜなぜ分析ってなに?

 なぜなぜ分析とは、故障やロスを発生させている要因を思いつきではなく、規則的に、順序よく、漏れなく出し切るための分析方法です。

 なぜなぜ分析の考え方はおよそ下図とおりです。まず、ひとつの現象(故障・ロスなど)が「なぜ」起こったのか、その要因を考えます。さらにその「要因」が「なぜ」起こったのかを掘り下げて考えていきます。

なぜなぜ分析の考え方

なぜなぜ分析の考え方

 そうして「なぜ」を繰返し考えることで、最後にその現象が発生した要因の源に突き当たります。そして最後に、現場や現物の状況と照らし合わせ、要因の源──つまり最後の「なぜ」を以下のように裏返して対策を立てます。

最後の「なぜ」の裏返しと対策例

なぜの対策

 ここで注意しておきたいのは、最後の「なぜ」は確実で効率的な再発防止策につながるものでなければならないという点です。

●実行前にするべきこと

 なぜなぜ分析を実施する前に、以下のことを行っておきましょう。

・問題を整理し事実をしっかりつかむ
 問題が漠然としていたら、なぜなぜ分析を行っても有効な対策を立てることはできません。その問題が発生している部位、場所、時間帯、時期、発生頻度、量、種類(タイプ)、状態、割合といった詳細な事実を的確につかんでおきましょう。

・問題となっている部分の仕組み(構造)や役割(機能)を理解しておく
 故障などの要因を追求する場合、問題となっている部分の構造や機能の理解が不可欠です。問題部分をイラストに描いたり、図面や取扱説明書などをよく読んでおくと、構造や機能の理解に役立ちます。

本記事は『月刊TPMエイジ』2007年5月号からの転載です

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