【第12回】:最終回 ビビディ・バビディ・ブーで維持管理
この連載では個別改善のポイントを解説してきました。これまで述べてきたとおり、個別改善とは設備の7大ロスを撲滅するために、現象を分析し種々の改善を行うことですが、改善を完遂して終わりというわけではありません。改善の成果を共有し、全員が同じように実施できなければ、また改善前の状態に戻ってしまうおそれがあります。さらには、他の設備にも同様の改善を行う水平展開も必要です。そこで重要になってくるのが維持管理です。最終回は、維持管理の手順とポイントを解説します。
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●維持管理とは
さまざまな改善や工夫を通して得られた成果を、また元の状態に戻ってしまわないよう維持し、全員がその手順や方法を実行できるように管理することが「維持管理」です。具体的には、手順・方法の基準(書)をつくり、その基準を守る能力を身に付け、目で見る管理などによって管理を徹底して行います。
●基準書をつくる
基準書とは、改善がどのような条件下で行われたかを測り、記録して、誰にでもその手順や方法が実行できるようにするものです。
作成に関しては、まず改善の成果を出すうえでの正しい条件を定量的に測ります。段取り改善なら、ワークなどの位置・角度、設備・交換部品の精度、加工寸法、治工具の調整など。速度差ロス対策なら、サイクルタイム、加工時の振動、電流値、静的精度などの条件を測定します(条件は設備によって異なります)。そして、測定した数値を図・グラフなどとともに記録に残し、基準書を作成します。
また、正しい測定をするためにも、測定具や交換部品の管理も大切です。キズ、打痕、摩耗、サビ、ゴミ、汚れが付かない置き方・保管を行いましょう。
こうした基準(書)があれば、規格から外れた現象が起こった場合でも、その原因がすぐ判明し、対策が打ちやすくなります。
●訓練
改善の基準書ができ上がったら、次はオペレーターがその基準を守る能力を身に付けることや、ほかの設備にも、改善の成果を反映させる水平展開が必要になります。
その際に行われる訓練・教育には、ワンポイントレッスンが有効です。講師役は改善を実行した人が担い、改善で得たノウハウや知識をメンバー全員に浸透させます。ここで大切なことは、ワンポイントレッスンが単なる知識の伝達で終わるのではなく、改善の成果が現場で実践されているかをフォローし、実践できていなければ繰り返し行うことです。
●「目で見る管理」を活用しよう
このように不良の出ない基準が設定され、オペレーターにその能力が付いたら、今度はその基準が維持されているか、時間の経過とともにどのように変化していくかなどといったことを、定期点検・日常点検などを通して管理することが必要になります。
その際、点検がしやすいと管理も効果的に行えます。そこで、「目で見る管理」の視点から点検の効率化・容易化をしてみるといいでしょう。
たとえば、
- 点検個所のカバーを透明アクリル板に換える
- 油量のレベルゲージに彩色したフロートを浮かせておく
- 見やすい場所に計器を集約する
といった工夫が役に立ちます。
本記事は『月刊TPMエイジ』2008年3月号からの転載です