改善の4原則「ECRS」はデートのABC !? 連載第8回

→左から右へ読んでね。

改善の4原則「ECRS」のまんが
改善の4原則「ECRS」のまんが

ここがポイント!

改善の4原則「ECRS」

 改善のアイデアを出すには、4つの着眼点「ECRS」があります。すなわち、

  1. Eliminate(排除)
  2. Combine(結合)
  3. Rearrange(置換)
  4. Simply(簡素化)

です。まずは、こういった視点で改善の方策を立ててみるとよいでしょう。
 改善の効果を最大化するためには、上記の1から4の順で考えるのが鉄則です。排除がダメなら結合、結合がダメなら置換というように、手順を踏んで考えましょう。

Eliminate:やめられないか(排除)

 ここでは一例として「探すムダ」に着目してみましょう。「探すムダ」の排除の基本的な考え方は、「5S」「3定」「表示」の徹底です。
 「5S」に関しては、とくに「整理」「整頓」を徹底して行いましょう。「整理」とは、必要なモノと不必要なモノを区別すること。「整頓」は、探す作業をなくすことです。「整理」によって不要品が一掃された後、「整頓」をすることで機能的な保管をします。たとえば、よく使うものは身近に、使用頻度が低いものは順次遠くに置くとよいでしょう。
 「3定」とは、「定位」「定品」「定量」の略で、使用するモノを、どこに、どのように、いくつ置くかをルール化することです。そして「表示」によって、そのモノが何であるかを誰にもわかるようにします。色分けすることもひとつのアイデアです。

Combine:組み合わせられないか(結合)

 分散して行っていた作業を1ヵ所に集中させて行うことがポイントとなります。代表例として「給油個所の集中化」などがあります。

Rearrange:入れ替えられないか(置換)

 たとえば、段取り替え改善においては、設備を停めて行う「内段取り作業」を、設備を停めないで行う「外段取り作業」に置き換えることを主眼に考えてみましょう。 「次のワークや容器の準備」「測定具の準備」「設備・治具の調整」などを事前にできないか、といったことがポイントとなります。
 また、「調整」を「調節」に換えられないかという視点も有効です。「調整」とは作業者の経験やコツによって手作業で行う位置合わせで、位置のバラツキが発生しやすいもの。「調節」とは自動的・半自動的な位置合わせで、位置のバラツキはほとんどありません。具体的には「目盛り合わせをブロック突当て化にする」といった方策があります。

Simply:簡単にできないか(簡素化)

 金型や取付け具の交換には、必ずボルト類のゆるみ、締付けが伴います。これらの作業をワンタッチ化、クイックチェンジ化することに着目してみましょう。たとえば、
・カムクランプ機構の応用で、ボルト・ナットによる締付けをなくす
といった方策があげられます。

次へ 

「戦略的TPM」で新しいものづくり革新を―経営戦略とリンクする総合一貫型のTPMとは― No.4

 前へ

サカナたちには迷惑です!? 4Mからの要因追究 連載第7回