軸受編:【第9回】軸受の種類と特徴

 軸受とは、文字どおり軸を受ける部品です。自転車、掃除機、洗濯機などの家庭で使うものから、自動車、電車、飛行機といった大きなものに至るまで、私たちの周りで非常に多く使用されています。また、軸受が使用される数は機器や設備によって、1個から数百個以上と多岐にわたります。

 私たちの生活を支えている軸受ですが、大きく分けると「すべり軸受」と「ころがり軸受」の2種類になります。

すべり軸受:軸と軸受の面が直接接触(面接触)しているものです。一般的に、すべり面に油を介在させることで摩擦抵抗を低減させています。

ころがり軸受:軸受に玉(ボール)やころ(ローラ)を使用して、点接触・線接触しているものです。すべり軸受と比べて摩擦抵抗が小さいという特徴があります。一般的に「ベアリング」と呼ばれて、広く使用されています。

軸受

<ひとくちメモ> すべり軸受には互換性がない!

ころがり軸受は製品寸法などに国際的な規格があるため、メーカが違っても互換性があります。
一方、すべり軸受は国際的な規格がありません。そのためメーカによって径、長さ、厚みが異なるので、互換性がないことに注意してください。



◆Q&Aで理解度チェック!

Q1 ころがり軸受とすべり軸受を比べると、ころがり軸受の方が擦抵抗は小さい
Q2 ころがり軸受は、国際規格があるのでメーカ互換性がある

A1 ◯:題記のとおりです。
A2 ◯:題意のとおりです。


■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境

輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。

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