軸受編:【第13回】ころがり軸受の基礎

 ころがり軸受には、内輪と外輪の間にある「玉」や「ころ」と呼ばれる丸棒が取り付けられています。この「玉」や「ころ」のころがりで軸を受けることによって、摩擦抵抗を大幅に低減して滑らかな回転が得られます。一般的に「ベアリング」と呼ばれています。また、規格があるため互換性があります。

ころがり軸受

 ころがり軸受の一般的な特徴を、すべり軸受と比較してまとめて示します。

  すべり軸受 ころがり軸受
摩擦係数 比較的高い 非常に小さい
対振動 強い 弱い
静粛性 動作音が少ない 動作音が比較的高い
耐荷重性 比較的高い 比較的低い
高温・低温 比較的不利 比較的有利
<ひとくちメモ> ころがり軸受の潤滑方法と給油法

ころがり軸受の潤滑方法は、油潤滑とグリース潤滑に大別されます。油潤滑は、グリース潤滑よりも高速回転や高温での使用に適しています。
給油法には、油谷潤滑法、リング給油法、飛抹給油法、滴下給油法、循環給油法、ジェット給油法、噴霧給油法(オイルミスト)などがあります。摩擦面の一部(もしくは全部)を溜まっている潤滑油中に浸らせる油谷潤滑法が、給油の確実性が高いことから広く使用されています。



◆Q&Aで理解度チェック!

Q1 ころがり軸受は、すべり軸受よりも摩擦抵抗が小さい
Q2 ころがり軸受の潤滑方法では、油潤滑よりもグリース潤滑の方が高速回転に適している

A1 ◯:題記のとおリです。
A2 ×:グリース潤滑よりも油潤滑の方が高速回転や高温に使用に適しています。


■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境

輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。

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