油圧・空気圧編:【第76回】油圧の基本構成と要素

 油圧装置は、機器の組合わせによって多くの機能を持たせることができます。しかし、複雑に見える油圧装置も、各機器の働きについて整理すると、基本的に5要素に分類できます。図に、油圧装置の構成と、油圧の5要素の機能を示します。


油圧装置の構成

油圧の基本構成

油圧の5要素の機能
油圧の要素 機能
油圧ポンプ 電動機やエンジンの機械的エネルギーによって、タンクから油を吸い上げ、油に圧力と流量の流体エネルギーを与え、各部に供給するもの。定容量形と可変容量型ポンプがある
油圧タンク 油を貯蔵するもので、それ以外にも油の汚れの除去や、適正油温の保持などの機能を持っている
油圧制御弁(バルブ) 油圧装置に目的どうりの仕事させるため、油圧制御、流量制御、方向制御など制御する弁である
油圧アクチエータ 油圧エネルギを運動に変える仕事をする油圧シリンダやモータである
アクセサリ 油圧装置の円滑な作動を助けるため各種の機器や計器及びそれらを繋ぐ配管などがある



<ひとくちメモ>  なぜ油圧装置に作動油を使うのか

もし、油圧装置に作動油ではなく水を使用すると、どうなるでしょうか?

・水は100℃なると蒸気になってしまう(100℃まで上がらなくても蒸気が発生するので、高温下で使用できない)
・水は粘りが少ないため、圧力が高いと漏れてしまう
・水による錆の発生や潤滑不良で著しく摩耗してしまう

以上のような点を補うために、油圧装置では作動油が使用されています。



◆Q&Aで理解度チェック!

Q1 油圧アクチュエータが果たす仕事の3要素は、「大きさ」「速さ」「質」である
Q2 油圧制御弁には、「圧力制御弁」「流量制御弁」「方向制御弁」がある

A1 ×:「大きさ」「速さ」「方向」の3要素なので、誤りです。
A2 〇:題意のとおりです。


■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境

輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。

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