TPM鉄則36:利益の大敵「ロス」を洗い出す

ロスは利益を蝕んでいます。またロスの多くは潜在化しています。これらを顕在化し、利益阻害要因を明確にして、撲滅を目指します。

ロスを垂れ流していませんか

 ロスとは、経営資源(人、金、設備、モノ、情報......)が、本来の機能をフルに発揮していない状態と考えます。つまり、儲け(利益)を阻害している要因がロスなのです。経営資源について、利益の阻害要因を見つけ出し、排除・予防することが儲かることにつながります。本来の姿・機能を明確にして、それぞれが現在どうなっているのかを知ることが必要です。
 たとえば、材料について見てみると、投入(購入)した材料が100%製品化されたのならば、材料のロスはありません。しかし現実は、材料投入工程で取扱い中に漏れ・こぼれが発生、生産工程で不良品が発生、仕上げ工程で手仕上げによる余分な材料の切り落としなど、材料がムダになっていることがよくあります。また、材料で保管しているうちに、劣化などで使えなくなることもあります。これらも大きなロスです。
 このように経営資源について、どのようなロスが存在しているのかを定義し、どれだけの量がムダになっているのかを調査してみると、意外とロスがあるものです。ロスを改めて認識し、改善することができれば、それがそのまま利益につながります。

ロスを調べてみよう

 まずは、ロスを定義して、三現主義に徹し、今まで見過ごしていたロスも含めて洗い出しましょう(下図)。またそれらを、コスト損失額に置き換えておくともっとよいでしょう。それらを整理して、体系化することによって、儲けるための攻めどころが明確になります。改善活動(ロス排除活動)の必然性が理解でき、積極的に進められるようになるはずです。

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