「設備に強いオペレーター」のようなものは? 連載第2回
いざTPMをはじめようと思っても、わたしたちオペレーターは具体的に何をすればいいのでしょうか。TPMは「TPM展開の8本柱」と呼ばれる8つの活動から成り立っていますが、そのうちオペレーターが中心になって行う活動が「自主保全」です。自主保全とはオペレーター1人ひとりが「自分の設備は自分で守る」ことを目的に、設備の日常点検・給油・増締め・部品交換・修理・異常の早期発見・精度チェックなどを行っていくこと。言いかえれば、「設備に強いオペレーター」になることです。
ここがポイント!
なぜ自主保全が必要なのか
TPMは、「個別改善」「自主保全」「計画保全」「教育・訓練」「製品/設備の開発管理」「品質保全」「管理・間接」「安全・衛生・環境」の8本柱から成り立っています。そのうちオペレーターが中心となって行う活動が自主保全です。
自主保全をはじめるにあたって、
「なぜオペレーター自らが設備のチェックをしなければならないのか」
「メンテナンスは保全部門の仕事では?」
といった疑問を抱く人も多いかと思います。
しかし現実には、設備の調子がいいか悪いかは、毎日設備に接しているオペレーターがいちばんよくわかるものです。また、日頃から増締めや給油・清掃などをしていれば、多くの故障を未然に防ぐこともできます。
このように自主保全はオペレーターが保全の仕事をやらされるものではなく、オペレーターだからこそ実施できる活動なのです。「自主保全は仕事そのもの」と胸に刻み込んで、活動に取り組みましょう。
設備に強いオペレーターの条件
自主保全の目的である「設備に強いオペレーター」になるためには、以下のような「維持」に必要な4つの能力と、「改善」に必要な3つの能力が必要となります。
〈維持に必要な能力〉
・異常を発見できる能力
・異常を復元・処置できる能力
・決め事を守りやすく改善できる能力
・決め事をきっちり守ることができる能力
〈改善に必要な能力〉
・間違いなく要因を分析できる能力
・正しい改善が実施できる能力
・判断基準を決めることのできる能力
自主保全の7ステップ
自主保全活動は7つのステップで進められます。
どんなベテランでも、はじめから設備に詳しいわけではありません。初期清掃にはじまり、下の図のようなステップを踏んで「設備に強いオペレーター」になっていくのです。