これがナミ子の5S道 連載第5回

5Sとは、「整理(seiri)・整頓(seiton)・清掃(seisou)・清潔(seiketsu)・しつけ(shitsuke)」のことです。整理は「必要なモノと不要なモノを分け、不要なモノは捨てる」、整頓は「必要なモノがすぐ取り出せるように置き場所、置き方を決め、表示を確実に行う」、清掃は「きれいな状態にして細部まで点検する」、清潔は「整理・整頓・清掃を徹底して実行し、きれいな状態を維持できるよう、ルールをつくり標準化する」、しつけは「決められたことを実行できるよう習慣付けること」です。5Sは品質、安全、設備の管理など、すべてに関わる仕事の基本です。

ここがポイント!

整理のポイント

 整理を行うには、“何が必要で何が不必要か”という価値判断をしなければなりません。その判断のコツを以下にあげます。
 (1) 優先順位をつける
 モノには多様な種類の価値があります。活用度、重要度、緊急度などの項目ごとに優先順位をつけ、必要/不必要の判断や置き場所の設定を行いましょう。
 (2) “いつか使う”と思わない
 「いつか使うかもしれない…」と思うモノは、結果的に“使わない”ことが多いのです。原則的には半年以内に使用する予定がなければ、捨てることを勧めます(ただし法律的な制約、高額な設備などは例外)。
 (3) 捨てたことを悔やまない
 「あのとき、あれを捨てなければよかった…」と悔やむことがあるからこそ、つい整理の判断に悩んでしまうもの。しかし、その思いは整理を徹底して行ったからこそ生まれるもので、乱雑なままでは何を捨てたのかさえもわかりません。捨てたことを悔やまない、それが整理のコツです。

整頓のポイント

 整頓は、必要なモノを必要なときにすぐに取り出せるよう、管理状態を保つための方法です。そのためには、以下の要素を明確にする必要があります。
・モノの置き場所が決まっていて明確になっている
・モノの置き方が決まっている
・すべてのモノに表示がされており、また置き場所にも表示がされいてる

清掃のポイント

 清掃には、道具や設備をきめ細かく管理して、常に最高の状態を維持するという意味があります。清掃を行うには、以下のような「清掃の心構え6ヵ条」があります。すべて当たり前なことですが、この当たり前のことを全員で確実に実施することが大切です。
①汚さない 
②こぼさない 
③散らかさない 
④汚したらすぐ拭く 
⑤消えたらすぐ書き直す 
⑥はがれたらすぐ貼り直す

清潔のポイント

 “清潔”、つまり3S(整理・整頓・清掃)を徹底して実行し、きれいな状態を維持できるようにするためには、ルールや基準を設けることで標準化をする必要があります。そのポイントを以下にあげます。
 (1) 目で見る管理
 たとえば箱を積み上げる場合、決められた段数の高さに印をつけておき、わざわざ箱を数えるのではなく、ひと目でチェックできるようにしましょう
 (2) チェックリストの活用
 決められた基準を基にチェックリストを作成し、定期的に3Sのレベルをチェックしましょう
 (3) 基準のチェック
 設備の運用条件などが変わったら、一度設定した基準が合うかどうか検討しましょう。

しつけのポイント

 しつけは、決めたことを守るように習慣付けることです。ここでは習慣付けのポイントをあげます。
 (1) 一方的に押し付けない
 「いい/悪い」「正しい/誤り」を一方的に押し付けてはうまくいきません。話して理解させて納得させることが必要です。
 (2) 繰り返す
 習慣付けは時間がかかるものです。短時間での効果は期待せず、何度も繰り返して実施しましょう。

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