ホントはコワイ? 「桃太郎の悲劇」の物理的解説 連載第6回

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ここがポイント!

PM分析の由来と定義

 数多くの現場では改善活動を行う際に、
・設備の機構を十分にわかっていない
・現象を理屈で考えていない
・加工原理を理解していない
・要因のとらえ方が粗すぎる
・影響度の高いものだけを改善の対象として取り上げている
といった傾向が見られます。これでは慢性化した不具合現象の要因は解明できません。
 そこで有効な手法となるのがPM分析です。PM分析のPMには下図のような意味があります。

ここからもわかるようにPM分析とは、
・慢性化した不具合現象を原理原則に従って物理的に解析し、不具合現象のメカニズムを明らかにする
・慢性化した不具合現象の要因と考えられるものを「設備の機構」「人」「材料」「方法」の面からすべてリストアップする
という考え方のことを言います。

物理的な解析

 PM分析は物理的な解析を行うことが特徴です。物理的な解析とは、“現象を理屈で考えるとどうなるか”を追求することであり、モノの原理・原則を物理的に説明付けることです。
 たとえば「ヒューズがとぶ」という現象を物理的に解析すると、「瞬間的に定格以上の電流が一定時間以上流れることによる熱溶断」となります。
 物理的な解析を行うことで、現象と要因の間に論理的な関連性を持たせることができます。一方で、正しくできないと、関係のない要因が出てきたり、要因のもれが出ることになります。
 また物理的解析を要領よく行うには、
・加工原理を再確認する
・加工原理上の原則は何かを考える
・現象に関連する条件は何かを考える
・物理量の変化は何かを考える
といった手順を押さえておくとよいでしょう。

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