第11回 バレンタインの「3ム」を排除せよ!
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ここがポイント!
3ムとは?
作業改善を行うにあたっての重要な視点に、「ムリ」「ムダ」「ムラ」の3ムの排除があります。
(1)ムリ
ムリとは行いにくいこと、するのが困難なことなどをいいます。
〔例〕力のいる仕事、しゃがむ・背伸びするムリな姿勢、注意のいる仕事、作業遅延動作(持ち替え、方向転換、並べ替え)など
(2)ムダ
ムダとは役に立たないこと、付加価値を生まない作業のことをいいいます。
〔例〕運搬のムダ、歩行のムダ、取出し・取外しのムダ、手待ちのムダ、探すムダなど
(3)ムラ
ムラとは不揃いなこと、一様でないこと、バラツキがあることをいいます。おもに以下のような作業でムラは発生しがちです。
〔例〕調整作業、品質修正作業、不定期な品質検査など
3ムの関係性と影響
ムリはムラを生み出し、ムラはムリを生み出します。また、ムリとムラの結果がムダを生み出します。さらに、ムリ・ムラ、および不安全状態を放置しておくと、時間的・品質的なムダばかりではなく、ケガ・事故などにつながります。
3ムの排除の手順
①チェックリストの作成
事前に「ムリ・ムダ・ムラ」とは具体的にどのような作業を指すのかを洗い出し、リストにします。
②現場観察
次に現場観察を行います。行われている作業を実際に観察するほか、ビデオ撮影も有効です。
③現状分析:作業のエフ付け
観察した結果、3ムのあった個所にエフ付けをします。
④問題点の整理:3ムの層別
洗い出した作業を、手作業・姿勢・歩行あるいはムリ・ムダ・ムラ・不安全作業などに層別します。
⑤改善案を出す
層別された作業の1つひとつに対して、改善案を出していきます。改善案は、改善の4原則(ECRS、11月号参照)の観点から見ると効率的です。
⑥改善実施と効果の確認
改善案を実施したら、効果を確認しましょう。確認のポイントは、
・ムリ、ムダ、ムラ、不安全作業が排除されているか
・時間短縮がされているか
・ラクになっているか
などです。