潤滑・給油編:【第5回】油圧作動油の種類と用途
作動油は、作動エネルギの媒体液としての役割のほかに、
- 摺動面の潤滑作用
- シール作用
- 防錆作用
- 冷却作用
など機器の性能や寿命を左右する大事な役割があります。
作動油の種類を大別すると、鉱油系作動油、合成系作動油、水成系作動油に分かれます。一般に、油圧装置には鉱油系作動油(石油系作動油)が広く使用されています。
- 鉱油系作動油:石油から精製された基油が主体で、安価で酸化安定性、防錆、水分離性、消泡性など多くに優れている性質を持っており、油圧装置に使われている。
- 合成系作動油:リン酸エステル系や脂肪酸エステル系などがあります。難燃性作動油
- 水成系作動油:油中水乳化系や水・グリコール系などがあます。難燃性作動油
<ひとくちメモ> W/OとO/Wは何の略なのか? WはWater(水)、OはOil(油)の頭文字です。Water(水)にOil(油)を添加したものがO/Wで水中油滴形と言います。Oil(油)にWater(水)を添加したものがW/Oで油中水滴形と言います。 |
◆Q&Aで理解度チェック!
Q1 鉱油系作動油は、安価で酸化安定性など優れた特性を持ち広く油圧装置に使用されている。
Q2 W/Oエマルジョン系作動油は、水中油滴形の作動油と言います。
A1 ○:題記のとおりです。
A2 ×:W/Oは、Oil(油)にWater(水)を添加したもので油中水滴形と言います。
■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境
輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。
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