シール編:【第56回】シールの主な種類
シールは密封装置の同意語で、流体や気体の漏れ、または外部からの異物侵入を防止するために用いられる装置の総称です(英語はSealing Device)。
日常生活で直接シールを目にすることは、ほとんどないかもしれません。しかし、時計、カメラ、テレビ、洗濯機など、身のまわりにある多くの製品で使用されています。建設機械や自動車などはシールの宝庫といえるほどで、シールの働きがないと製品の機能が発揮できません。シールは見えないところで、重要な役割を果たしているのです。
シールは、動作原理および形状から「固定用シール」と「運動用シール」に大別されます。「固定用シール」は、“静止用シール”または“ガスケット”と呼ばれ、静止している部分(配管用フランジ等)の密封に用いられます。主な種類として、金属ガスケット、セミメタリックガスケット、非金属ガスケット、液状ガスケットなどがあります。
一方、「運動用シール」は“パッキン”とも呼ばれ、回転運動や往復運動部分の密封に用いられます。主な種類として、メカニカルシール、グランドパッキン、成形パッキンなどがあります。
<ひとくちメモ> セミメタリックガスケットとは? |
<こんなときどうする> キレイに穴あけしたい! |
◆Q&Aで理解度チェック!
Q1 シールは、静止用シールと運動用シールに大別される
Q2 固定用シールの種類には、金属ガスケット、非金属ガスケット、メカニカルシールなどがある
A1 〇:題意のとおりです。
A2 ×:メカニカルシールは、運動用シールの一種です。
■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境
輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。
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