バルブ・配管編:【第67回】バルブの種類と特徴・用途 ①仕切弁(ゲート弁)

 バルブ(弁)は、配管の中でもっとも重要な役割を持つ部品です。バルブの操作によって、プラントや工場の操業などが開始・停止されます。バブルの開閉不具合が、プラントの重大な支障をもたらすこともあります。

 装置には各種バルブが多数使用されており、配管材料費の50%以上を占めます。そのため、バルブの選定および保守管理は非常に大切です。使用する流体の種類、圧力、温度などの条件に応じて選定する必要があります。

 構造で大別すると、仕切弁(ゲート弁)、玉形弁(グローブ弁)、球形弁、(ボール弁)、蝶形弁(バタフライ弁)、逆止弁(チェック弁)、ダイヤフラム弁などがあります。また、材料による区分では、鋳鉄、鋳鋼、鍛鋼、青銅、合金鋼などがあります。

 仕切弁は流路がまっすぐで「流体を流す/止める」ことを目的としており、ポンプや槽などの閉止用に多く用いられます。また、大口径弁としても使用されます(流れ方向は問わない)。工場やプラントでは、配管のメンテナンス時に流体を手前で止める役割を果たしています。

名称 特徴 用途

仕切弁(ゲート弁)
仕切弁

 

流量調整用には不向きであるが、ポンプ、槽などの閉止弁に多く用いられる。大口径弁としても使用され、流れの方向はどちらでもよい。弁の開閉操作には、弁棒(ステム)の移動(ねじ山数)が長く、時間がかかる
<特徴まとめ>
・開閉用
・流量調整不向き
・流れ方向は問わない
・開閉に時間を要する
・水道管
・プラント配管の元弁など



<ひとくちメモ>  仕切弁が流量調整に向かない理由

仕切弁は操作に時間を要するので、頻繁な開閉を行うには不向きです。また、中間開度(弁体が半分だけ流路に出ている状態)で流量調節すると、通り道をふさがれた流体と弁体がぶつかって、弁体を支える弁座が振動して金属面に傷をつけるなどして、流体が外に漏れてしまう「チャタリング」というトラブルを招きます。仕切弁は、流体をしっかり止める役割が向いているといえます。





◆Q&Aで理解度チェック!

Q1 仕切弁は、流量調整を目的として多く使用される
Q2 仕切弁は流れ方向は問わず、大口径弁としても使用されている

A1 ×:仕切弁は「流体を流す/止める」ことを目的としており、ポンプや槽などの閉止用に多く用いられます。
A2 〇:題意のとおりです。


■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境

輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。

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