バルブ・配管編:【第71回】バルブの種類と特徴・用途 ⑤逆止弁(チェック弁)

 逆止弁は、チェック弁、チャッキ弁、チェッキ弁などと呼ばれます。

 逆止弁は、正規方向の流れは妨げずに弁体が開き、背圧がかかった場合は弁体が弁座に自動的に密着して、菅内の流れを止め逆流を防止します。

 逆止弁には、弁体が弁箱または弁蓋に設けたガイドによって、弁箱付き弁座に垂直に動作する「リフト形逆止弁」と、弁体が弁座に相対して蝶番(ちょうつがい)式にピンで取り付けられて動作する「スイング形逆止弁」の2種類があります。

名称 特徴 用途

逆止弁(チェック弁)


チェックバルブ

 

[長所]
・自動的に動作する。(人の介在なし)
・ポンプ故障防止(逆流による)
・ウォーターハンマー防止
・異種材料混入防止

 

[短所]
・背圧低下により動作不備
・ゴミによる開閉不備

・異種流体配管の合流点
・液体配管立上がり
・ポンプ吐出し側
・スチームトラップなど

逆止弁の構造




<ひとくちメモ>  逆止弁と背圧

逆流の圧力(背圧)が弱すぎると、しっかり閉止できないことがあります。逆止弁を選択する際は、どの程度の背圧の強さで弁が動作するかといった仕様をよく確認しましょう。また、弁にゴミが入り込むと閉止できないトラブルとなるので、ゴミの対策も十分に行う必要があります。





◆Q&Aで理解度チェック!

Q1 リフト形逆止弁は、垂直配管のみ使用が可能である
Q2 逆止弁は、背圧が弱いと完全閉止できないことがある

A1 ×:リフト形逆止弁は、水平配管のみ使用が可能です。
A2 〇:題意のとおりです。


■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境

輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。

福田洋市についてもっと知る >

 前へ

情報端末を用いた検査機調整手順補助機能作成