TPM鉄則10: 机上で考えるな! まずは現場へ(三現主義のススメ)

どうしてそうなんだろう? と考えるのは大事です。しかし、ただ考えているだけでは何も解決しません。まずは「3つの現」で物事の本質を見極めましょう!

物事の本質を見つめよう!

 故障や品質不良には必ず原因があります。不具合が起きた工程(現場)を見て、不具合のあった部分(現物)を見て、不具合が起きている現象(現実)そのものを見るという三現主義を実践しなければ、正しい原因を見つけて判断することはできません。三現主義とは、「3つの現(現場・現物・現実)」を重視する考え方のことです。この3つの現を実践しなければ物事の本質は捉えられないといわれています。たとえば、生産現場で起こった不具合現象について、責任者が状況を聞いただけで判断を下すとします。これによって、間違った指示を作業者に与えてしまうことがよくあります。身近な例として、エアコンがある日突然止まってしまったとします。このとき、エアコンの状態をよく見ないで保全担当者に「修理してほしい」とだけ連絡したとします。さっそく、担当者が来て調べてみると、リモコンの電池が切れていただけ、コンセントが抜けていただけ、といったことはないでしょうか。極端な例かもしれませんが、実際に現場でこれに近いことが起こっていませんか?

考える前に動け!

 机上で考えるのではなく、すぐ行動を起こすことが大切です。三現主義とは、正しい行動を起こすための手順なのです(下図)。
①まず、不具合が起こった現場に行ってみる
②実際に不具合があったところを見てみる
③どのような不具合が起こったのか、その現象(現実)を、あるべき姿と比較してみる
 そうすると、簡単に設備や物事の本質がわかってくるかもしれません。

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