TPM鉄則11:清掃は点検なり―設備の構造を理解する第一歩

 清掃は、汚れによる設備に対するストレスを排除するとともに、不具合を発見することでもあります。発見した不具合は復元・改善して自分の設備をもっと理解しましょう。

清掃で不具合を発見しよう!

 清掃は、たんにキレイに清掃するのではなく、設備の隅々まで触れて、回転部分や摺動部分などのゴミ、汚れを徹底的に排除しようとするものです。これによって、ちょっとした不具合を五感(視覚・聴覚・触覚・臭覚・味覚)によって発見するのです。
 この不具合の発見をエフ付け活動といい、復元をエフ取り活動といいます。エフ付け・エフ取りについては後述します。これらを通じ、設備の機構・構造を理解するとともに不具合を不具合として見る目を養います。すなわち、清掃・エフ付けは、〝自分の設備は自分で守れる技術〟を身につけるスタートとなります。
 清掃、エフ付け・エフ取り活動を通じて、「清掃で点検する」「点検で不具合を発見する」「不具合を復元・改善する」「復元・改善で成果を得る」「成果による達成感を得る」を体験します。正しい清掃を実施していない職場では、設備に対する関心が薄れており、故障・不良が多発しています。あなたの職場は大丈夫ですか?

清掃は自らの手で徹底的に!

 清掃は他人任せでは身につきません。〝清掃は点検なり〟の実践のポイントは次のとおりです。
①自らの手を汚し、仕事そのものとして清掃する
②長年の汚れを徹底的に落とす
③設備本体のカバーやフタを開け、隅々まで清掃する
④搬送設備・操作盤など付帯設備も含めて清掃する
⑤汚れの発生源、清掃困難個所を見極める
 このような活動をすれば、設備に対する関心が増し設備の構造も理解できるようになります。

次へ 

個別改善“成果隊”が歌う「設備の7大ロス」 連載第1回

 前へ

TPM鉄則10: 机上で考えるな! まずは現場へ(三現主義のススメ)