鉄則14:基本条件(清掃・給油・増締め)を整備する

清掃・給油・増締めは基本条件と呼ばれ、設備の健康を維持する基本です。点検・清掃・維持をラクにできるルールを自分たちでつくります。

清掃で設備への負荷を減らす

 ゴミ・汚れ・切粉などを清掃せずに設備を運転していると設備の負荷が増加し、速度低下ロスやエネルギーロスを引き起こします。また製品に異物が混入すると不良ロスも発生します。ゴミ・汚れの対策は、まず発生源を特定し、元を断つことを検討します。2番目に飛散防止のための局所カバーなどのアイデアを考え、3番目に簡単に清掃できる方法はないかという順番で考えると効果的です。

給油で焼付き・破損を防ぐ

 潤滑油の汚れや不足は、高温や高負荷による焼付き・破損など、故障の原因としてはもっとも多いものの1つです。また給油過剰や油漏れは、異物混入や汚れの発生源となります。適油、適量の徹底や給油個所の統合、簡易自動給油方式を検討しましょう。

増締めで精度の低下を防ぐ

 ねじやボルトのゆるみは、位置決め精度が低下してチョコ停の発生や部品の欠落・破損に繋がります。ねじのゆるみの原因は、締付け不足、熱による変形、振動などがあり、その原因をきちんと突き止めて対策するのが増締めの本来のねらいです。たとえば振動が原因でゆるむのであれば、それに耐えることができる正しいゆるみ止めの方法を選定しましょう。

基本条件を守る仕組みをつくる

 清掃・給油・増締めは、設備の強制劣化を防ぐために、とても重要な基本条件です。これが守れないと、設備の故障・トラブルを招きます。TPMの自主保全では、自分たちで点検とともに基本条件整備の基準、ルールを決めて、設備の維持管理体制、設備を故障させない仕組みを確立していきます。

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「なぜ?」と問うその前に…「なぜなぜ分析」事始め 連載第2回

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TPM鉄則13:強制劣化から自然劣化へ