「なぜ?」と問うその前に…「なぜなぜ分析」事始め 連載第2回

改善してもすぐに後戻りしたり、同じような不具合が発生するとしたら、真の原因を突き止めていないということ。なぜなぜ分析を使って、ハイレベルな改善にチャレンジしてみよう!

ここがポイント

なぜなぜ分析とは

 前回、個別改善とは設備の7大ロスを撲滅することであると説明しました。その実現にはロスの原因を突き止める必要があります。その代表的な手法のひとつが“なぜなぜ分析”です。
 なぜなぜ分析とは、「なぜ故障が起こるのか」「なぜ不良品は減らないのか」という素朴な疑問からひも解いて、故障やロスを発生させている要因を①思いつきではなく、②体系的に、順序よく、③漏れなく出し切るための分析方法です。

なぜなぜ分析の考え方

 なぜなぜ分析の考え方を図表-1に示します。
 まず、ひとつの現象(故障・ロスなど)が「なぜ」起こったのか、その要因を考えます。さらにその「要因」が「なぜ」起こったのかを掘り下げていきます。
 「なぜ」を繰り返し考えることで、最後にその現象が発生した要因の源に突き当たります。そして最後に、現場や現物の状況と照らし合わせ、要因の源である最後の「なぜ」を図表-2のように裏返して対策を立てます。ここで注意しておきたいのは、最後の「なぜ」は確実で効果的な再発防止策につながるものでなければならないという点です。

図表-1

図表-2

実行前にするべきこと

 なぜなぜ分析を実施する前に、以下のことを行っておきましょう。
① 問題を整理し事実をしっかりつかむ
 問題が漠然としていたら、なぜなぜ分析を行っても有効な対策を立てることはできません。その問題が発生している部位、場所、時間帯、時期、発生頻度、量、種類(タイプ)、状態、割合といった詳細な事実を的確につかんでおきましょう。


② 問題となっている部分の仕組み(構造)や役割(機能)を理解しておく

 故障などの要因を追求する場合、問題となっている部分の構造や機能の理解が不可欠です。
 問題部分をイラストに描いたり、図面や取扱説明書などをよく読んでおくと、構造や機能の理解に役立ちます。

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