TPM鉄則15:設備の「健康状態」を調べて、「あるべき姿」を目指そう
私たちの健康診断と同様に、設備も点検などの結果から基本条件(清掃・給油・増締め)の整備や定期整備・修理等の実施などをして復元をすることが必要になります。
設備のあるべき姿を明確にしよう
設備のあるべき姿とは、設備の機能や性能が最高に発揮・維持するための条件で、必要条件(絶対に必要なもの、なければ設備は動かない)と十分条件(あればより望ましいもの、条件が整っていなければ、設備の性能は発揮できない)があります。一般的に、必要条件にのみ目を奪われ、十分条件は見過ごされやすいものです。その背景には、設備は動いているからそれで良いという考え方があります。
しかし、より精度の高い加工をするためには、十分条件の完備が必要不可欠となるのです。必要かつ十分な条件が整ったとき、設備の設計機能を十分に発揮し、ムダなく効率の良い、さらに信頼性の高いモノづくりができるのです。逆にこれらが不十分であると、故障・チョコ停、さらには品質にも影響を与え、生産性も低下してしまいます。この場合は、設備を元の正しい状態に復元することが重要です。生産速度を上げると急に不良や設備トラブルが増えたりして、結果的に速度を上げられない場合は、現状速度でも設備の精度や条件、品質などの不具合があるということであり、顕在化されていないだけなのです。
■設備の現状を把握しよう
故障は必要条件・十分条件が整っていないから発生するのです。そこで、設備が必要なとき、いつでもその機能を十分発揮できるかどうか、設備信頼性の向上が必要となります。まず、設備信頼性を左右するデータの把握から始めましょう。MTBF(平均故障間動作時間)やMTTR(平均修復時間)、故障強度率や故障度数率などで、設備の状態を評価していきましょう(下図)。