TPM鉄則40:リードタイム短縮に寄与する「段取り改善」にチャレンジ


「段取り・調整ロス」は、設備総合効率の向上には避けては通れない大きな課題です。ぜひその極意をマスターし、チャレンジしてください。



シングル段取りを目指そう



 設備の効率化を阻害するロスのひとつに、「段取り・調整ロス」があります。多品種少量化、短納期化に対応するうえでも、段取り改善はますます重要になってきました。設備稼動中の段取り替えは、生産を停止することになるため、できる限り短時間で確実に終える必要があります。目指すシングル段取りの目標は一ケタ時間(たとえば10分未満)です。できれば瞬時に段取り替えを終わらせる改善を目指します。自動車レースのピットチームをイメージするとよいでしょう。





段取り改善の手順



 改善の手順は以下のとおりです。



① 「探す時間の徹底短縮」→5Sの徹底
 段取り替えには、治具や交換部品、前製品の片付けがあります。これらの作業に付随する動作には必ず「探す」時間が含まれ、この時間の短縮を目指します。
 このためには、「整理・整頓」を徹底し、5Sを定着させ、「探す作業・動作」を排除するためECRS(排除・統合・入れ替え・簡素化)に基づく改善を実施します。



②「内段取りの外段取り化」→手順の見直し
 内段取りの設備停止に対し、外段取りは設備を止めずにあらかじめ準備しておける作業部分です。外段取りに移行させると、生産を止めなくてすみます。これは、作業内容を層別し作業順序を見直すことにより、すぐにでも実施できます。



③「内段取りの改善」→調整の排除、並行作業など
 このためには、定位置化や変数の固定化、着脱の簡素化を図り、自動車レースのピット作業のようなムダのない状態を実現します。



段取り改善のポイント



  1. 短時間段取り、シングル段取りの追求
  2. 調整なし、試加工なしの一発良品化
  3. 要素作業・動作を把握する
  4. 一連の段取り作業を一現象として扱う(部分作業だけを対象としない)
  5. 段取り作業の標準化と訓練



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