本当は怖い!? 家庭の「目で見る管理」 連載第8回

ここがポイント

「目で見る管理」のねらい

 自主保全第4ステップは総点検です。ワンポイントレッスンなどの伝達教育で会得した知識に基づき総点検を実施することで、点検や維持すべき項目の“抜け”がいままで以上に見つかるはずです。その結果、点検にかける時間はどんどん増えてきます。
 しかし、活動時間は変わらないので、点検を効率的に行うことで点検時間の短縮を検討しなければなりません。その方法の1つが「目で見る管理」です。
 生産現場にはたくさんのマニュアル類や標準、基準などのルールがあります。しかし、それらの多くは、「読む、探す」という行為を必要とするので、誤判断を引き起こす要因になります。その点、「見る」ことは他の五感に比べて、非常に多くの情報をとらえることができ、人間の判断をもっとも左右する機能を持っています。
 目で見る管理は、こうした人間の視覚の利点を活かし、
・必要なときに必要な情報を必要なだけ、
・見やすく判断しやすく、
・シンプルに人へ働きかける
仕組みを実現することをねらいとしています。簡単にチェックできる状態をつくると、故障やチョコ停など結果系の異常ではなく、「おかしい、あやしい」レベルの原因系の異常を発見できるようになります。

「目で見る管理」構築の視点と効果

 目で見る管理は、以下のような3つの視点で行うと大きな効果が期待できます。

 (1) 異常の早期発見
 人が一生懸命に注意して異常を発見するのではなく、機械や設備の方から人に“異常ですよ”と働きかけて、気づかせてくれる異常の早期発見の仕組みをつくりましょう。そうすることで、故障やチョコ停、不良、災害などのロスやトラブルを発生させない予防効果が生まれます。

 (2) 誤判断、誤操作、不注意の防止
 目で見る管理により、“覚えないですむ”“判断しないですむ”“注意しないですむ”仕組みが実現できれば、誤判断や不注意などの人のエラーを予防することが可能となります。同時に、点検や操作などの作業の正確性を高めて、さらに誰でも個人差がなく同じ作業ができるようになります。

 (3) 点検の効率化・容易化
・劣化の見やすい環境:(例)のぞかずに見える、登らずに見える
・手間のかからない点検の仕組み:(例)カバーを外さずに見える
・判断のいらない仕組み:(例)異常のときランプが点灯する
といった視点で、目で見る管理を行うと、点検の効率化・容易化を図れます。

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