活動は続くよどこまでも 最終回
ここがポイント
第7ステップ「自主管理の徹底」
自主保全の最後のステップである第7ステップは、「自主管理の徹底」です。この自主管理は、「日常管理」と「方針管理」から成り立っていますが、まず、自主管理とは具体的には何を、どのようにすることなのか見ていきましょう。
日常管理とは
自主管理で求められるものは日常管理です。日常管理とは、「職場のすべての決め事を守りやすい状態にし、確実に守ることで生産活動の達成レベルを向上させる」ということです。つまり、自主保全のこれまでのステップでやってきたことは、「日常管理レベルを向上させること」そのものということができます。
第7ステップは自主管理の“徹底”ですから、今までに見直してきた守らなければならない決め事を「確実に守っているか」、自分たち自身で評価していくことが1つの活動内容となります。そして、守りにくいと感じる事項に対しては、「守りやすくする」という改善を続けていかなければなりません。
このような活動を継続して行うことによって、私たちが守らなければならない基準や標準類は、どんどん守りやすく改訂されていくことになります。すなわち、この自主管理のステップでは、「さらに守りやすい職場を、全員で育て続けていくこと」が、1つの課題なのです。
方針管理とは
自主管理で求められるもう1つの事項である方針管理とは、「上位の方針に沿って、自分たちの職場で解決すべき改善テーマを明らかにし、その改善に積極的に取り組んで生産活動の到達レベルを向上させる」ということです。
これまで自主保全のステップとあわせて、コスト低減、生産性向上、効率向上などのテーマで、個別改善にも取り組んできたと思います。このステップでするべきことは、その活動を継続することです。具体的には、自分たちで、「改善テーマは計画的に完了しているか」「その改善内容のレベルは今までより向上しているか」を評価しながら、弱い点を克服していきます。
そのためには、以下の3つの標準化が必要です。
① 活動板が整備され、今までの活動が評価でき、これからの課題がわかること
② 改善テーマの展開はQCストーリーにしたがっており、手順に抜けのない内容であること
③ 効率ロス項目ごとに、必要な正しい改善の道具 (手法など)を使いこなすこと
このコーナーでは自主保全活動の概要を解説してきました。自主保全活動を実践することで「設備に強いオペレーター」に成長し、ひいては「設備」「現場」「人間」が変わっていくのです。