【No.9】恋のワンポイントレッスンABC~やさしく手ほどきしてあ・げ・る~
まんが自主保全入門 No.9
前号までの第1~3ステップは、自主保全の第1段階です。五感による感覚的な不具合の摘出が中心でした。さて、第4ステップは自主保全の第2段階としてさらに一歩踏み込んで、自分たちの設備の機能・構造を保全やスタッフから学び、設備に関する知識・理屈に裏付けられた日常点検を行えるようになることが目的です。そのために、サークルリーダーは受けた教育をメンバーに伝える義務があります。この手段としては、“三種の神器”のうちの1つであるワンポイントレッスン(OPL)が有効です。OPLについて、作成と活用のポイントを解説します。
→まんがは左から右へ読んでくださいネ。
ここがポイント!
OPLは目的により3種類ある
ワンポイントレッスンは、目的により次の3種類があります。
(1)基礎知識
日常の生産活動やTPM活動を展開するうえで、知っていなければならないことをまとめます。基礎知識の不足を補うために有効です。
(2)トラブル対策
実際に発生した不良・故障などのトラブル事例をもとに、再発防止の観点から日常何をしなければならないかをまとめます。その際、以下の点に留意するとよいでしょう。
・トラブルがどのような不具合の見逃しによるものか
・それはどのような知識不足によるものなのか
(3)改善事例
現場のサークル活動の中から生まれ、成果に結び付いた改善事例を水平展開するために、改善の考え方・対策内容・効果をまとめます。
シートは自分でつくるのが原則
ワンポイントレッスンは、5分程度で伝えることができる内容を1枚にまとめ、朝礼時やミーティングなどで実施します。ワンポイントレッスンで使用するシートは、保全やスタッフから学んだことをもとに、発表者自身でつくるのが原則です。
シートは文字どおりワンポイントで端的に表現することが大切です。1つの方法をイラストなどで表し、そのやり方と「know-why:なぜ、そうしないといけないのか」で理解できるように発表します。
教育を受けたリーダーは、その内容をサークルメンバーに伝える際、単に同じことを教えるだけでなく、自分なりに工夫し、自分の現場の設備に合ったものに置き換えることが必要です。
人に教えるためには、まず自分自身が内容をきちんと理解していなければなりません。どのように教えようかと苦労するプロセスがあってこそ、学んだことが自分のものになり、自分のレベルアップにつながるのです。すなわち、教えることによって自ら学ぶことになるのです。ここで大切なことは、ワンポイントレッスンで学んだメンバーは、次は講師となって教え、全員で役割を回すことです。
さらに大切なことは、ワンポイントレッスンが単なる知識の伝達で終わることなく、それらのことが日常の現場で実践されているかフォローし、行動として実践できるまで必要に応じて繰り返し行うことです。ワンポイントレッスンは、自主保全活動に欠かせない重要なツールなのです。
コラム:ワンポイントレッスンをつくろう
〈作成上のポイント〉
① 直面している共通テーマを取り上げる
② 文章だけでなく図表やイラストも入れる
③ 自分の職場や設備に合うように工夫・アレンジする
④ トラブル事例は発生後すぐに作成して全員に伝える