軸受編:【第15回】ころがり軸受の呼び番号

 ころがり軸受の規格には、国際規格のISO、日本産業規格のJIS、国内業界規格のBAS(日本ベアリング工業会)があります。規格があるため互換性があり、他メーカのころがり軸受と部品交換ができます。
 JISでは、軸受の呼び番号を下記のように定めています。

軸受の呼び番号=基本番号+補助記号=型式記号+寸法記号+内径番号+補助記号

以下に、呼び番号の例を示します。

ころがり軸受の呼び番号

<ひとくちメモ> すきま記号や等級記号の数字の意味は?

すきま記号のCには、C1、C2、無記号(普通)、C3、C4、C5の規格があり、この順番にすきまが大きくなります。「普通」以外のすきまは、C2、C3のように刻印されています。
等級記号のPには、無記号(0級)、P6、P5、P4、P2の規格があり、この順番に精度が良くなります。一般的に流通している、ころがり軸受のほとんどが「無記号(0級)」ですが、精度が悪いのではないことを理解してください。



◆Q&Aで理解度チェック!

Q1 ベアリングの6206ZZC3P6の軸受内径は30㎜である
Q2 すきま記号で、C1の方がC2よりも、すきまが大きい

A1 ◯:題意のとおりです。
A2 ×:C1、C2、無記号、C3、C4,C5の順に、すきまが大きくなります。そのためC2の方が、C1よりも大きいすきまとなります。


■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境

輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。

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