材料一般編:【第29回】非鉄金属(1)非鉄金属の分類
「非鉄金属」とは、鉄以外のすべての金属です。金属材料は鉄を含めて4,000種類ほどありますが、その中でも鉄の生産量が80%以上と圧倒的に多いため、「鉄」とそれ以外の「非鉄金属」に区分したともいわれています。
非鉄金属は、「ベースメタル」「プレシャスメタル(貴金属)」「レアメタル」の3つに分類されます。ベースメタルとは生産量が多く、さまざまな材料として社会で大量に使用される金属です(ベースメタルには鉄も含む)。プレシャスメタル(貴金属)とは希少で耐腐食性があるのが特徴の金属です。レアメタルとは存在量が稀である、あるいは採掘や精錬のコストが高いために流通・使用量が少ない金属です。
非鉄金属の分類と元素、および主な用途を以下にまとめて示します。
分類 | 元素 | 主な用途 |
ベースメタル※鉄もベースメタル |
アルミニウム、鉛、亜鉛、銅、すずなど | ・埋蔵量も多く、基本的な金属 ・産業用金属素材として主に利用される ・日常品にも幅広く利用されている |
プレシャスメタル (貴金属) |
金、銀、白金属の6元素 ※白金属の6元素は白金(プラチナ)のほかルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム |
・宝飾・アクセサリ用として用いられる ・歯科用金属や産業用にも多く用いられている
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レアメタル | 希土類元素を含む47元素(チタン、リチウムなど | ・産出量が極めて少なく、産出地域が偏在している ・技術的に抽出が困難など、希少性が高い ・ハイテク製品に欠かせない素材となっている |
<ひとくちメモ> ベースメタルの用途 非鉄金属のベースメタルとして比較的多く使われるものは、アルミ二ウム=圧延品(6割)、銅(電気銅)=電線(7割)、鉛(電気鉛)=自動車蓄電池(4割)、亜鉛=鋼板(5割)、スズ=ブリキ(4~5割)などです。これらを含めて金属精錬技術(金属を取り出す技術)は、日本が世界トップの水準です。 |
◆Q&Aで理解度チェック!
Q1 金、銀、白金(プラチナ)は、非鉄金属のベースメタルに分類される
Q2 アルミニウムは、アルミニウム合金として日常品にも幅広く利用されている
A1 ×:金、銀、プラチナは、プレシャスメタル(貴金属)に分類されます。
A2 〇:題意のとおりです。
■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境
輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。
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