国際単位系(SI単位)編:【第40回】SI単位系(5)SI単位への換算表②

 前回に続き、旧単位(重量単位系)からSI単位への換算表を以下に示します。

 今回取り上げるのは、熱伝導のしやすさを数値化した「熱伝導率」、固体と液体の熱の伝わりやすさを数値化した「熱伝達係数」、1グラム当たりの物質の温度を1℃上げるのに必要な熱量である「比熱」、液体の粘っこさを表す尺度である「粘度」、粘度をその液体の密度で除して“流れの伝わりにくさ”を表す「動粘度」の換算表です。

【熱伝導率】※1〔cal〕=4.18605〔J〕(計量法による)

SI単位: W/m・K  kcal/m・h・℃
1  8.60×10⁻¹
1.16279 1



【熱伝達係数】※1〔cal〕=4.18605〔J〕(計量法による)

SI単位: W/m・K  kcal/m・h・℃
1  8.60×10⁻¹
1.16279 1



【比熱】※1〔cal〕=4.18605〔J〕(計量法による)

SI単位:J/(kg・K) kcal/(kg・℃)
cal/(g・℃
1 2.38889×10⁻⁴
4.18605×10³ 1



【粘度】※1〔P〕=1〔dyn・s/㎠〕=1〔g/㎝・s〕、1〔Pa・s〕=1〔N・s/㎡〕、1〔cP〕=1〔mPa・s〕

Pa・s cP P
1 1×10³ 1×10

1×10⁻³

1 1×10⁻² 

1×10⁻¹

1×10²

1



【動粘度】※1〔St〕=1〔c㎡/s〕、1〔cSt〕=1〔m㎡/s〕

SI単位:㎡/ cSt St
1 1×10⁶ 1×10⁴
1×10⁻⁶ 1 1×10⁻² 
1×10⁻⁴

1×10²

1



<ひとくちメモ> 熱伝導率が高い物質は?

金属は、銀>銅>金>アルミニウムの順に高い熱伝導率を持ちます。工業用として熱伝導を目的として使用する場合は、価格が安い銅やアルミニウムを用いるケースがほとんどです。一般的に、調理用具として銅鍋やフライパン(銅)がよく使われるのは、熱伝導率が良いためです。



◆Q&Aで理解度チェック!

Q1 比熱とは、1グラム当たりの物質の温度を1℃上げるのに必要な熱量のことである
Q2 ステンレスは、アルミニウムより熱伝導率が高い

A1 〇:題意のとおりです。
A2 ×:ステンレスは16〔W/m・K〕、アルミニウムは236〔W/m・K〕なのでアルミニウムの熱伝導率の方が高いです。


■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境

輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。

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