キー・ピン編:【第50回】ピンの種類、呼び径、特徴・用途

 ピンは小径の丸棒で取付けが簡単なので、一般に機械部品の取付け位置を一定にする場合や、ハンドルと軸の位置を固定する場合などの軽荷重の組立に用います。

 ピンの選定は、使用する場所や用途に応じて決定します。表に「ピンの種類、呼び径、特徴・用途」をまとめます(コッタ—ピンも含む)

ピンの種類

図は各種資料をもとに編集部で作成




<ひとくちメモ> ノックピンの穴径と深さ

穴径と深さの関係は、ピン保持部の長さは径の2倍程度がよく、最小は径と同じ長さ、最大は径の3倍程度が目安です。穴の深さがピン径より浅いと位置決め精度が悪くなり、深さが径の3倍以上になると精度を保った穴加工が難しくなります。



<こんなときどうする> ピンを抜きたい!


機械や設備で使用されている平行ピンやテーパピンが、フレームを貫通してないために抜けない場合に、『ピン抜き工具(ノックアウター)』を使用して対応する例を紹介します。

ノックアウターの先端に、ピンの内ねじに合うキャップスクリューボルトをセットして、ピンの内ねじにスクリューボルトを取り付けます。次に、ノックアウターのハンマーの部分を叩きあげ、衝撃でピンを抜きます。なお、内ねじ付きピンでないとノックアウターは使用できません。



◆Q&Aで理解度チェック!

Q1 テーパピンの呼び径は、大きい方の直径で表す
Q2 テーパピンや平行ピンには、下穴にリーマ加工が必要である

A1 ×:テーパピンの呼び径は、小さい方の直径で表します。
A2 〇:題意のとおりです。


■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境

輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。

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