油圧・空気圧編:【第79回】油圧ポンプ② 歯車ポンプ(ギアポンプ)

歯車ポンプ

 歯車ポンプはギアポンプとも呼ばれ、建設機械、農業機械、産業機械などに広く使用されています。

 歯車ポンプは、2個またはそれ以上の歯車がかみ合ってケーシング内で回転し、歯とケーシング壁との間に囲まれた容積の移動を利用して、ポンプ作用を行います。

 かみ合い方式によって、外接歯車式と内接歯車式に大別されます。以下に、その構造と動作を示します。

外接歯車式

 吸込口から入った液体は、歯と歯の間の空間に満たされ、この液体がケーシング内部に沿って吐出側へと運ばれて押し出されて、圧力が発生します。この歯車の外周とケーシング内部のすきまが、歯車ポンプの性能上重要な役割を果たしています。

外接歯車式

内接歯車式(仕切板あり)

 外歯車と内歯車のかみ合いが離れて負圧が生まれ、その中に液体が入り込んで回転方向に移送されます。ケーシングの三日月部分は、かみ合いが偏芯しているため、すきまを埋めて吐出し側へ一定の液体を運ぶ役目があります。ケーシング内部全域に移送された液体は、シールポイントで完全にかみ合うため、昇圧されて吐出し口から吐き出されます。

内接歯車式ポンプ

内接歯車式(仕切板なし)

複数の花びら状の凸部分を形成するインナーロータを、凸部分が1つ多いアウターロータに対して、中心軸をずらしてはめ合わせています。軸の回転時に両ロータ間のすきま容積に変化が起こり、容積が広がると吸い込み、容積が縮まるときに押出しポンプとして動作します。一般的にトロコイドポンプと呼ばれています。

内接歯車式ポンプ




<ひとくちメモ> 歯車ポンプの長所と短所

歯車ポンプの長所は、「構造が簡単で丈夫である」「高い定量性と安定性がある」「高粘度流体に対応できる」などです。短所は、「機械摩耗が発生する」「加工精度が要求される」「可変吐出量が不適である」などです。故障の要因となる、「異物のかみ込み」「歯車のかじり」「閉込み」などに注意が必要です。閉込みとは、ギアポンプの歯車同士がかみ合うすきまに残った液が、かみ合いにより圧縮→膨張することで、振動や騒音を発生させてしまう現象です。



◆Q&Aで理解度チェック!

Q1 歯車ポンプには、内接型と外接型がある
Q2 歯車ポンプの短所は、高粘度流体の移送がむずかしいことである

A1 〇:題意のとおりです。
A2 ×:歯車ポンプは、高粘度流体の移送に適しています。


■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境

輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。

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