油圧・空気圧編:【第78回】油圧ポンプ① 油圧ポンプの分類

油圧ポンプ

 油圧ポンプは、電動機やエンジンといった外部からの動力によって回転力(回転エネルギー)が与えられ、その回転力を油圧ポンプで流体エネルギに変換して、油の圧力と流量を油圧装置に供給するものです。


 油圧ポンプには、動作原理、構造、吐出方式などから、下表のように分類できます(注:一部主観が含まれています)。


油圧ポンプの分類

動作原理 回転式 往復式
機構 歯車ポンプ ベーンポンプ アキシャルピストン ラジアルピストン レシプロピストン
構造 外接歯車式 内接歯車式 平衡型 非平衡型 斜軸式 斜板式

固定シリンダ/回転シリンダ

クランク式/カム式
吐出量 固定 固定 固定 可変 固定・可変 固定
吐出量
1/min
1〜500 1〜370 10〜230 5〜1000 5〜500 1〜80
圧力
MPa
0.9〜20.6 0.5〜29.4 3.4〜20.6 3.4〜13.7 20.6〜41.2 13.7〜24.5 29.4〜49
定格回転数 高速 中速 中速 低速〜中速 低速〜中速
騒音 非常に大きい 小さい 小さい やや大きい 大きい やや大きい
脈動 やや大きい 小さい 小さい やや大きい 大きい やや大きい
寿命 普通 普通 長寿命 長寿命 普通 普通
効率 比較的悪い 普通 普通 比較的良い 良い 良い
作動油管理レベル 低い 普通 普通 高い 普通 普通
価格 安価 普通 普通 高価
特徴 構造が簡単で丈夫 脈動・騒音が少ない 高圧で使用可能
用途 ・フォークリフト
・建設機械
・油や塗料の移送など
・産業機械の油圧装置
・冷媒冷却の循環
・油の移送など
・建設機械
・産業機械の油圧装置
・圧延機、製鉄機械、鍛造機など
・射出成形機、プレス
・コンクリート圧送
・高圧液送など



<ひとくちメモ> 容積型ポンプと非容積型ポンプとは

容積型ポンプの吐出量は、吐出圧力に関係なくほぼ一定で、負荷が大きくなると圧力はどこまでも上昇して、ポンプを破壊する恐れがあります。したがって、最大圧力を制御するために圧力制御弁を設けます。
非容積型ポンプは、吐出量と圧力に一定の関係があります。圧力を最大にすると、吐出量が“ゼロ”となるため、油圧ポンプには使用できません。

容積型ポンプと非容積型ポンプ


◆Q&Aで理解度チェック!

Q1 油圧ポンプには主に、歯車ポンプ、ベーンポンプ、ピストンポンプの3種類がある
Q2 ピストンポンプは効率が良く、低圧油圧機器に使用される

A1 〇:題意のとおりです。
A2 ×:ピストンポンプは効率の良さから、高圧油圧機器で使用されます。


■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境

輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。

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