締結編:【第42回】ねじの種類・形状と特徴

 ねじの種類には、ねじ山の断面積の形状や構造の違いから、「三角ねじ」「台形ねじ」「角ねじ」「のこ歯ねじ」「丸ねじ」「ボールねじ」などがあります。また、左に回すと閉まる「左ねじ」(「逆ねじ」「駆動ねじ」ともいう)もあります。

 以下に主なねじの種類と特徴を示します。

ねじの種類




<ひとくちメモ> ねじは「締結用ねじ」だけではない!

ねじは、一般的に締結用ねじ(つないで固定する)がよく使われますが、他にも多くの用途で、さまざまなねじが使用されています。ボールねじのように回転運動を直線運動(移動)に変換する「運動用ねじ」、机や作業台などの高さを調整する「調整用ねじ」、マイクロメーターのようにねじの回転で精密な長さ測定を可能とする「測定用ねじ」などがあります。



<こんなときどうする> 接着剤で固定したねじを緩める

接着剤で固定したねじを、そのままムリに回すとボルトを破損させたり、ボルト・ナットの頭(ねじ山)の溝をつぶす(なめる)ことにつながります。接着剤は合成樹脂成分なので熱に弱いため、バーナトーチやホットガンなどで温めてから回すと、比較的簡単に回ります。作業の際は、火気厳禁そして安全第一で試してみましょう。



◆Q&Aで理解度チェック!

Q1 三角ねじは、自然に戻りが発生する欠点があるので、締付けには適さない
Q2 ボールねじは、工作機械の軸移動に多く使用されている

A1 ×:自然に戻りが発生するのは、台形ねじです。
A2 〇:題意のとおりです。


■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境

輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。

福田洋市についてもっと知る >

次へ 

締結編:【第43回】三角ねじと並面ねじ・細目ねじ

 前へ

締結編:【第41回】ねじの分類と基本構造