藤井 重樹 Shigeki FUJII

藤井 重樹(ふじい しげき)
  

日本能率協会コンサルティング 
プロフェッショナルアドバイザー  
TPMコンサルタント

総合医として多角的視点でお客様の課題解決に尽力します

◆新しいTPMの潮流を起こし、強いモノづくり力を実現する

 技術がアナログからデジタルに変化していく時期に合わせて、一部の国内製造業は海外での相対的地位が若干劣勢となっている部分があります。これはモノづくりがインテグレート型からアセンブル型に変化したことが一因と考えられます。
 一方、モノづくり現場力が落ちている面もあります。日本が得意なのは、複雑で精度の高い擦り合わせが必要なモノづくりです。これを磨くことにより日本の製造業は復活し、更に強くなります。
 そこで再び注目されるのがTPMの基本的手法です。これまでTPM活動は、製造業のモノづくり強化に多大な貢献をしてきましたが、時代の要請であるDXも取り入れた新しいTPMの潮流を起こし、モノづくりに関わる「ロス」の「ゼロ化」を目指し、レベルを上げたら新たな「ロス」を見つけ出し、人材育成強化を含めたTPM活動を続けることで、強いモノづくり力を実現できます。

◆新製品の市場開拓・製品開発をはじめ多岐に亘る業務を経験

 出身企業で最初に担当したのは新製品の市場開拓・製品開発です。強化プラスチック複合管の安全性を解析と実験で証明して建設費の低減に貢献したほか、施工性・高剛性・水密性の向上やコスト低減に資する新製品および工法の開発などを担いました。
 その後、工場の技術課長、製造部長、工場長として新製品開発、生産技術、設備投資、モノづくり強化を推進しました。さらに国際部で海外事業の法務および人材育成のサポート、中国の生産販売子会社の社長として市場開拓やモノづくりの実践に携わり、帰国後に生産販売の子会社社長に就任した際は毎週工場に出かけて改善テーマを発掘するとともに、QCD管理を徹底する地道な取組みで増収増益を果たしました。
 執行役員に就任後は技術部門を管掌し、モノづくり強化、物流、環境、品質、安全、開発戦略、生産再編の企画実行を担いました。震災直後は震災復興チームの派遣、BCPの策定、原料や電力の確保を行いつつ、開発テーマの入替えや新しい枠組みでの共同開発を推進し、生産再編を社員のリストラなしに実行しました。その後、社長として関係会社の立直しを担当し、コンプライアンス最優先の経営を実践しました。就任から4年連続で増収増益を達成しました。

◆従業員が働きたいと思える「良い会社」をつくることが重要

 固定費削減などの事業改善を行っても業績が良くならないとすれば、人や組織の問題ではなく事業そのものが煮詰まっているのだと思います。事業には「変えてはならないこと」と「変えなくてはならないこと」があり、それらをきちんと区別して実施していく必要があります。事業は「創造→成長→効率化→衰退」の4段階をたどるもので、衰退の前に技術革新を行えば、また新しい成長が始まります。現在はまさに環境やDXなどの情報面を含めた大転換期なので、成長できるこのタイミングを逸さないことです。
 会社の基本は「社員がどれだけ 生き生きと前向きに仕事をやれるか」、つまり社員が意欲をもって働き、達成感を得ることです。大事なのは雇用の維持であり、従業員が働きたいと思える「良い会社」をつくることが重要だと思っています。
 現在、製品開発スキルおよびマネジメントスキルをコアに、製品開発・生産性改善のコンサルティングに取り組んでいます。製品開発が最も得意とする専門分野ではありますが、私のこれまでの経験、今磨いているスキルを総動員して、さまざまな分野で、専門医でなく総合医として多角的視点でお客様の課題解決に役立つように尽力していきます。

■藤井 重樹プロフィール
◆専門分野:製品開発支援
◆TPM:開発管理、品質保全、教育訓練

製品開発スキルおよびマネジメントスキルをコアにして、製品開発ならびに生産性改善のコンサルティングに従事。 出身企業の大手化学会社で新製品開発、市場開拓、施工技術開発等を担当。その後は工場長、国内外子会社社長、執行役員として生産再編に手腕を発揮した。多岐に亘る経験とスキルを活かして、さまざまな分野での課題解決に尽力している。令和3年度産業標準化事業表彰において、ISO/TC138の国際議長としての実績が評価され経済産業大臣表彰を受賞*。

*経済産業省HP「令和3年度 産業標準化事業表彰受賞者インタビュー Vol.20」に関連記事掲載中https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun-kijun/keihatsu/hyosho/interview/R03fy/020.html

次へ 

山名 智子 Tomoko YAMANA

 前へ

見原 文雄 Fumio MIHARA