油圧・空気圧編:【第80回】油圧ポンプ③ ベーンポンプの種類

ベーンポンプ

 ベーンポンプは、小型軽量で構造も比較的簡単なこともあり、油圧装置に広く使用されています。ポンプ効率も高く、長時間使用しても安定した性能が得られます。

 ベーンポンプには、定容量型と可変容量型があります。一般に、定容量型では圧力平衡型、可変容量型では圧力非平衡型が使用されています。圧力は6.9MPa(70kg/cm2)程度でしたが、現在では13.7MPa(140 kg/cm2)以上の使用に対しても、優れた性能を示すようになっています。

 以下に、定容量型と可変容量型の構造と動作を示します。

定容量型

 ロータの半径方向に複数の溝が切られており、そこにベーン(羽根)が半径方向に滑動できるように取り付けられています。回転すると、ベーンの先端が遠心力でカムリングの内面に押し付けられて密着します。

 形状が回転軸に対称となっているため、駆動軸にかかる力はバランスが良くなっています。1回転中に2回ポンプ作用をする圧力平衡型が用いられます。

定容量型ベーンポンプの断面図

可変容量型

 1回転当たりの吐出量を負荷に応じて変化させて、油圧作動に必要なだけの圧油を吐出して、ムダなエネルギ―損失を少なくしています。圧力非平衡型を用いており、ロータとリングの偏芯量を変化させて、吐出量を変える機構を持っています。

 図は負荷圧が設定圧に達すると、自動的に偏芯量が変わる圧力補償型の構造を示しています。

可変容量型ベーンポンプの断面図




<ひとくちメモ> ベーンポンプの長所・短所

ベーンポンプの長所は、「吐出圧力の脈動が小さい」「容積効率の低下が少ない」「小型・軽量である」「保守が容易である」などです。短所は、「液体の種類に制限がある」「液体の汚染に弱く、ベーンの摩耗がある」「キャビテーションで部品損傷する」などです。



◆Q&Aで理解度チェック!

Q1 ベーンポンプには、定容量型と可変容量型がある
Q2 ベーンポンプは、吐出圧力の脈動が大きいことが短所となっている

A1 〇:題意のとおりです。
A2 ×:ベーンポンプは、吐出圧力の脈動が小さいことが長所となっています。


■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境

輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。

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