「なぜなぜ分析」の進め方と注意点
今回のキーワードは、「なぜなぜ分析」です。「No naze-naze,No Kaizen」(なぜなぜのない改善なんてありえない)と言いたいくらいなので、キーワードをお読みになる前に、まずはこちらの動画をご覧になってください。初心者向けにWEBセミナーのダイジェスト版です。
TPMオンライン編集部
なぜを繰り返して原因にたどり着く!
「なぜなぜ分析」とは、さまざまな現場で発生している問題(不具合現象)について、その問題を引き起こしている要因を「なぜ」で提示し、その提示された要因についてさらに「なぜ」を繰り返していくことで、原因を特定して対策を見出すものです。
問題の発生要因を思いつきで考えるのではなく、原理・原則から規則的・体系的に漏れなく出し切る点が大きな特徴です。
「なぜなぜ分析」の手順はこうだ!
「なぜなぜ分析」は、次のような手順で進めることをお勧めします。
❶テーマ選定・現状把握
解決すべき問題(不具合現象)を明確化します。問題に関連する知識・情報等も、事前に整えておきます。
❷要因解析
「なぜ」を繰り返して要因を解析していき、原因を追究します。原因に行きつけば[b]、必ずしも「なぜ」を5回繰り返す必要はありません。
(やり方や仕組みの不味さが出てくれば、これが再発防止に繋がる。これが最後のなぜになる)
❸対策検討・実施、効果確認
具体的な対策案を検討・策定して実施します。さらに、実施した対策の効果を確認します。
❹歯止め・標準化
効果を維持するための歯止め・標準化を行います。ここまで実施しないと、「なぜなぜ分析」の成果は得られません。
「なぜなぜ分析」の注意点
せっかく「なぜなぜ分析」を実施しても、成果がうまく出せないことがあるようです。その場合は、次のような点をチェックしてみましょう。
- 取り上げた問題(不具合現象)が抽象的ではないか、知識・情報等が不十分ではないか
- 原因が特定されていない状態で、「なぜなぜ分析」を終了させていないか
- 対策は具体的かつ実施できる内容になっているか
- 歯止め・標準化はされているか(ルール化など)
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「なぜなぜ分析」は、製造企業を中心に広く活用されています。その主な理由として、「論理的な思考によって、問題の根本原因と対応策が見つかること」や「問題の解決法を身につけることで、組織としての対応力が向上する」などがあげられます。
ぜひ、積極的に「なぜなぜ分析」に挑戦してください
藤井 雅司プロフィール
◆専門分野:生産技術支援
◆TPM:個別改善、自主保全、品質保全
大手総合化学会社で工場内電気設備管理、システム設計・プログラミング業務等に従事後、大手半導体製造会社でTQC推進、QC教育、地区QCサークル活動幹事、TPM優秀賞・継続賞等のTPM推進、JIT生産推進に携わる。コンサルタントに転身後も、多くの業種・業態におけるTPM推進支援に加えて、書籍「『8の字展開』で進める品質保全」執筆のほか、「なぜなぜ分析」「PM分析」「QC手法」をはじめとする社内教育や公開セミナー講師でも非常に高い評価を得ている。
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