設備診断技術の導入で得られる効果

3つの視点で見る設備診断技術の導入効果

設備の異常・故障の原因および将来的な影響を予知・予測することで、必要な対策を立てる設備診断技術を導入することで得られる効果について、3つの視点から説明します。

●設備コストの低減

設備診断技術の適用による保全の最適化により、設備本体や部品にかかる費用を減らすことができます。
たとえば、軸受異常を初期段階で検知することで、ローターの接触やシャフトの変形等の二次破損を防止して修理費を抑える、異常振動やアライメント不良を早期に補正して設備寿命を延ばすなど、設備コストの低減に直接的に寄与します。

●製造コストの削減

設備の稼働率向上や作業の効率化により、製造コストを削減することができます。
設備異常が原因で発生する製品の不良率を下げるほか、原材料のムダや廃棄コストを減らすことができます。また、異常箇所を事前に特定することで部品や人員をムダなく手配でき、作業工数や外注費を削減できます。

●企業価値の向上

設備の安定稼働や製品の安定供給を継続することで、顧客や取引先からの信頼が得られます。また、設備起因の重大事故や労働災害ゼロ、あるいは廃棄物削減や省エネ等にも貢献するので、安全性やサステナビリティを社内外に示すことができます。

結果的に、設備診断技術の導入は社内のコスト削減等にとどまらず、顧客からの信頼性の獲得や社会的な企業価値の向上にもつながります。

設備診断技術導入による効果 設備コストの低減
製造コストの削減
企業価値の向上


DX時代でも重要な役割を果たす設備診断技術

DX(デジタルトランスフォーメーション)の時代に入った現在、設備診断技術の果たす役割は上記のようなメリットの享受だけに留まりません。たとえば、工場が直面している人手不足や技能伝承という大きな課題を解決する、強力な切り札にもなります。

●暗黙知のデジタル化による技能伝承

熟練保全員の五感等に基づく判断基準を、振動データや周波数、温度などの客観的な数値として蓄積することができます。この「暗黙知の形式知化」によって、保全員の教育時間短縮を実現するとともに、保全業務の技能伝承がスムーズになります。

●クラウドやAI活用による保全業務の「スマート化」

クラウドに各種データを集約して、離れた場所にある工場の設備状態を、本社の保全員がリモート診断する遠隔監視も実現します。また、収集データのAIによる分析等で、少子高齢化で保全人員を確保しにくい状況においても、保全業務のさらなる効率化を達成できます。

このように、設備診断技術の導入は今後も重要な役割を果たすことが期待されます。




末石 章二プロフィール
◆専門分野:設備診断技術支援

末石

大手製鉄会社出身で、鉄鋼・化学・セメント・製紙・電機・食品、その他さまざまな製造現場において、多くの設備診断の経験と実績を積んで現在に至る。また、設備診断セミナーでは豊富な経験に基づき、トラブル解決・故障削減・生産性向上等に診断技術を活用する実践的な方法を、実体験を交えてわかりやすく解説することで高い評価を得ている。


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