油圧・空気圧編:【第81回】油圧ポンプ④ 可変容量型ベーンポンプの仕組み
可変容量型ベーンポンプとは
可変容量型ベーンポンプは、中心で回転するロータ、その溝に差し込まれたベーン(羽根)、全体を囲むカムリング(外枠)で構成されています。
ロータが回ると、ベーンが遠心力で外側に飛び出し、カムリングに密着します。このとき、ロータとカムリングの中心のズレ(偏心)によって吸込みと吐出しが発生し、液体が運ばれます。カムリングを動かして偏芯を大きくすれば吐出量が増え、ズレをゼロにすればポンプが回っていても液は送り出されません。
このように偏心量を変えて吐出量を調節できるのが、可変容量型ベーンポンプです。
動作時の流量特性
円形のリングは圧力設定スプリングによって偏芯して、吐出量調整ねじの先端に当たっています(A)。
回路圧力が上昇して吐出側の圧力が高くなると、リングに作用する力が大きくなり、リングを圧力設定スプリング方向に押して、スプリング力とつり合う点まで戻すことによって吐出量は減少します(B)。
さらに、回路圧力が高くなってスプリングの設定力に達すると、リングはさらにスプリング方向に押され、偏芯量はほとんどゼロになり、吐出し量もゼロに近くなって圧力だけを保持します(C)。逆に、回路圧力が少しでも減少するとリングが偏芯して、それに応じて吐出し量が増加します。
|
<ひとくちメモ> ベーンの数は奇数 |
◆Q&Aで理解度チェック!
Q1 可変容量型ベーンポンプは偏心量を変えることで、吐出量を調節できる
Q2 可変容量型ベーンポンプは、偏芯を大きくすれば吐出量が減る
A1 〇:題意のとおりです。
A2 ×:偏芯を大きくすれば吐出量が増えます。
■福田洋市
◆専門分野:設備保全支援
◆TPM:個別改善、自主保全、計画保全、品質保全、教育訓練、管理間接、安全・衛生・環境

輸送機器メーカーにて製造、保全、安全衛生等の部門で多くの資格を取得しながら経験を積んだ後、工場長として会社統合、工場再編成、生産統合、海外工場支援指導等にあたる。さらに、生産アドバイザーとして生産システム整備や若手人材育成などに携わり、2022年より現職。豊富な実務経験に基づいた、保全技能や改善手法の教育をベースとする人財育成に手腕を発揮している。
福田洋市についてもっと知る >