シャレにならない初期清掃 連載第3回

ここがポイント

清掃は点検

 自主保全・第1ステップの初期清掃とは、単に設備をキレイにすることではありません。点検清掃ともいわれるとおり、清掃をとおして、設備の隅々まで手を触れ、目で見ることによって微欠陥や振動、温度、音などの異常を発見するとともに、それらの発見を容易にすることを目的に行われるものです。
 「清掃は点検なり」「点検は不具合の発見なり」、これが初期清掃の基本となる考え方です。

どこを清掃点検する?

 初期清掃は、言ってみれば設備の健康診断です。健康診断であるからには、設備の外側だけでなくふだん開いたことのないようなカバーなどを開いて、内部の隅々まで清掃点検しましょう。設備の大切な部分は、その内部にあることが多いのです。
 また、設備が動いている状態でも清掃を行うといいでしょう。停止しているときではわからなかった振動、音、熱などの不具合が摘出しやすくなります(ただし、くれぐれも安全には注意を!)。
 さらに、不具合を摘出すると同時に、「何によって、どこが、どれくらい不具合を起こしているか」を突き止めることも重要です。

初期清掃の効果

 初期清掃の効果は、以下の4つにまとめることができます。
① 設備の強制劣化が排除される
② 設備がキレイになることで、不具合を見つけやすくなる
③ 清掃という行為そのもの、つまり清掃することにより設備に触り、興味を持ち、愛着を感じる
④ オペレーターの不具合を見る目が養われる

 設備が見違えるようになると、「やる気」が生まれます。オペレーターが不具合を摘出することで、「やる腕」が磨かれます。
 また、改善すべき不具合も明らかになり、改善への意欲が生まれてきます。それが第2ステップの活動への足がかりとなり、自主保全活動の活性化にもつながるのです。

どのレベルまでやれば「合格」か

 初期清掃は、
・設備が見違えるようになっている
・不具合を見つけている
といったレベルまで行えば合格といえます。ただし、どれくらいキレイか、というだけではなく、どの部分まで清掃してあるかといった見方も必要です。
 たとえば、自動車でいえば外側や車内だけでなく、エンジンルーム内やトランク内部なども清掃すれば、新しい発見があるかもしれません。
 つまり、初期清掃でもっとも大切なことは、オペレーターが設備について興味を持ち、改善の意欲を養うことなのです。

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