【第12回】(最終回)チョコ停改善の7ステップ展開⑤
7ステップ:無人化への挑戦 対策の実施・効果の確認・維持管理
第7ステップでは、第5、6ステップで実施したの改善の効果の確認、およびチョコ停ゼロの実現と所定の時間で維持ができるようにする管理を行う。
(1) 基本作業の徹底
通常作業や段取り替え、調整作業の結果により、チョコ停の発生頻度に違いが生じる。同じ人でもその日のやり方次第で、作業結果が異なるからである。正しい段取り、セッティング、調整方法などをもう一度見直すことが必要である。
教えたつもりでも正しく守られていない、基準どおり作業できていない。あるいは自己流で勝手に行っているということもある。
このようなことがないように教育・訓練の実施やスキル評価、認定などを実施し、無免許運転にならないようすべきである。そのためには製品知識、加工理論、設備の構造、ウィークポイントなどを理解し、正しい状態を維持できる自主保全体制のレベルアップが求められる。
(2) 目で見る管理”のレベルを向上
劣化(変化)に対する“目で見る管理”のレベルを向上させ、その内容・ポイントを自主保全の基準書や計画保全の保全カレンダーに記載し、レベルを維持する。改善活動の評価基準は下図に示した4段階評価を参考にされたい。
そしてノントラブル時間の延長、連続無人運転時間をさらに延ばす活動にしていく。
チョコ停・空転ロスの改善レベル4段階評価
TPMコンサルティング事業本部 顧問
和泉 高雄(いずみ たかお)
1984年 日本能率協会(JMA)入職。日本プラントメンテナンス協会、JIPMソリューションを経て、2013年にJMAC取締役、19年から現職。国内外の工場・ものづくりの現場のコンサルティング、審査は100社以上。専門分野のPM分析、個別改善、自主保全、品質保全に加え、TPM全般の教育にも定評がある。共著に『TPM展開プログラム・加工組立編』『PM分析の進め方』(いずれもJIPM)、編著に『チョコ停改善はこうやれ!』(JMAC)、雑誌への寄稿および講演多数。全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント(J-MCMC16007)、国際公認経営コンサルティング協会認定コンサルタント(CMC)、TPM Award審査委員。早稲田大学理工学術院非常勤講師。