【第3回】チョコ停のとらえ方①
チョコ停の種類
チョコ停にはさまざまな現象と原因があるが、それらは発生した際に設備が停止するものと、停止せず空転しているものとに大きく分けれれる。以下に、それぞれのケースを説明する。
設備が停止するケース
設備が停止するケースのチョコ停とは、一般的にはトラブルを検知し自動停止する場合である。これは、さらに以下の2つに細分できる。
(1)過負荷による停止
過負荷がかかり自動停止するケースのチョコ停であり、自動包装機、組立機で多発する傾向がある。また自動部品加工機でも、切削力の過大により所定時間を越え、サイクルオーバーとして検知し、停止することもある。
(2)品質異常による停止
各種センサーが作動し、自動停止するケースのチョコ停である。自動組立機の部品吸着ミス、加工や組立不良による不良検知による停止、トランスファーマシンでのワークの着座異常などがある。
設備が空転するケース
ワークの搬送・供給の不備などのトラブルによって、ワークが流れないまま設備が空転しているケースのチョコ停である。機構上チョコ停を検知することが困難な場合、または経済的に理由から検出・停止機構を付けられない場合に発生する。一般的に発見が遅れることが多く、各種自動機に多発する傾向がある。
チョコ停の現象分類と原因分類
TPMコンサルティング事業本部 顧問
和泉 高雄(いずみ たかお)
1984年 日本能率協会(JMA)入職。日本プラントメンテナンス協会、JIPMソリューションを経て、2013年にJMAC取締役、19年から現職。国内外の工場・ものづくりの現場のコンサルティング、審査は100社以上。専門分野のPM分析、個別改善、自主保全、品質保全に加え、TPM全般の教育にも定評がある。共著に『TPM展開プログラム・加工組立編』『PM分析の進め方』(いずれもJIPM)、編著に『チョコ停改善はこうやれ!』(JMAC)、雑誌への寄稿および講演多数。全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント(J-MCMC16007)、国際公認経営コンサルティング協会認定コンサルタント(CMC)、TPM Award審査委員。早稲田大学理工学術院非常勤講師。